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【インタビュー】5万足磨いてきたシューシャイナーKEN氏の靴談義 〜革靴を永久に履く手入れの極意〜

2018.04.19

前回の10月に予想以上の反響を頂いた靴磨きイベントが4/21(土)、4/22(日)にまた帰ってきます!!

それに先駆けて、今回もプライベートで友人でもあるカニヤが毎度おなじみ?!の直前インタビュー(汗)を敢行。

内容は皆さまに良く質問される革靴の手入れについて、根ほり、葉ほり聞いてきましたよ〜♪笑

それでは、本編へどうぞ!!

(↓↓以前のインタビュー記事を読んでない方は下から覗いてみてくださいね♡)

前回のインタビュー15万足磨いてきたシューシャイナーKEN氏の靴談義 〜プロが認める英米の本格靴とは?〜

前回のインタビュー25万足磨いてきたシューシャイナーKEN氏の靴談義 〜仕事と着こなしの流儀〜

 

靴磨き歴は約8年。今まで磨いた数は5万足以上。
無店舗営業で個人宅へ出張、ジャンルを問わずショップへのイベント磨き経験多数。
日本全国へファンを持つ実力派シューシャイナー。
好きな食べ物はシュークリーム。
ブログ:http://shoeshinerk.blog90.fc2.com
インスタグラム:@shoeshinerken

一同:よろしくお願いします!

カニヤ:今回は靴のケアに関していくつかお伺いしたいと思います。

アスティーレ ハウスのお客様でも新品の靴って最初どうすればいいかわからないっていう方が多いんですよね。

実際買ったばかりの時にどうやってケアすればいいのか教えていただけますか?

シューシャイナーKEN(以下KEN):その話しですね。

それはよく聞かれます。笑

まず靴って店頭に並ぶじゃないですか。

そして在庫品は箱に入ってストックされるじゃないですか。

なので、工場で靴として出来上がって箱に詰められて、お客さんが買って履くまでの間に相当な期間が経ってるんですよ。

カニヤ:確かに言われてみるとそうですね。笑

KEN:その間に革はすごく乾燥します。

カニヤ:考えてみるとすごいカピカピになっちゃいそうですね。

KEN:革は油分が抜けて表面はすごく綺麗に見えるのですが、すごく乾燥している状態が多いです。

カニヤ:確かに一番最初納品されてみたときは凄いツヤツヤしてます。

KEN:これは仕上げでワックスが塗ってあります。

また仕上げ剤が塗ってあるので見た目はすごくいいんですけど、革の中の繊維は実のところ凄く乾燥しているんですよ。

カニヤ:なるほど。それを伺うと最初のケアが本当に重要になってきそうです。

KEN:初めに塗ってあるワックスや仕上げ剤を落としてあげる。

そして油分、水分の高いクリームを入れてあげる。

で、磨きなおしてあげると。

カニヤ:ワックスを落としてあげるというのは、普通に靴を磨いてあげる時と一緒のフローでいいんですか?

KEN:そうですね。市販でも売っているリムーバー(汚れ落し)と言われるものでまず表面の加工をしっかり落とす。

これを落とさないとクリームを入れようとしてもクリームを弾きます。

一番初めはしっかり目に落としてあげて、そこで油分の高いクリームを入れてあげる。

カニヤ:最初はいきなり乳化剤を入れてあげるのではなくてリムーバーを全体に塗ってからクリームを入れてあげるのがいいという事ですね?

KEN:そうですね。

カニヤ:逆にそのケアをしなかった場合どうなりますか?

KEN:乾燥した状態で革靴を履いていて歩くと、一歩ずつ靴って小指の付け根の部分が屈折するじゃないですか。

その状態だと革が潤ってないので屈折した部分から割れてきてしまいます。

またしっかり潤った状態に比べると革が乾燥していると足に馴染むのが遅くなります。

カニヤ:それを聞くと最初に買ったときは絶対にファーストケアしたほうがいいですね。笑

KEN:あとは雨が降ったときにトラブルが起こりやすいです。

茶色い薄い靴なんかはシミができたり…

カニヤ:いきなりシミできちゃうんですね。

KEN:そうですね。乾燥しているので水分を余計に吸ってしまうので。

カニヤ:あ〜水が入りやすい状態なんですね。

KEN:そうです。

カニヤ:じゃあ今回のイベントで買ってくれた方にはもちろんファーストケアして頂けるんですよね?

KEN:勿論そうですね。しっかり仕上げ剤を落とす。落としてしっかり栄養を入れてそこでピカピカに光らせます!

カニヤ:しかもファーストケアの仕方を目の前で見れるので、色々質問できますね。

KEN:そうですね。色々本にも載っているんですけど、目で見て聞かなきゃわからないことがあると思うので是非イベントにお越し下さい。お待ちしてます!笑

カニヤ:笑。そうですね。笑

次も他のお客様から質問が多いものでファーストケアをした後についてお伺いします。

1回履くじゃないですか。そのあとどのぐらいの周期で磨くというか手入れの周期をしたらいいんですかね?

KEN:手入れの周期はその靴を履く頻度によって異なりますね。

例えば毎日同じ靴を履く方もいらっしゃるじゃないですか。

他にも靴を何十足も持っている方は一ヶ月に1回しか履かないですよね。

なので、頻度によって変わるんですけど…

カニヤ:目安ってありますか?

KEN:5回履いたら1回軽く磨く。

カニヤ:なるほど。軽くというのは?


KEN:軽くっていうのは先ほどの汚れ落としをしてしっかり油分を入れるようなケアでなくて大丈夫です。

表面に栄養をちょっと入れてあげて、で、ブラッシングをして、栄養を入れて、ちょっと光らせる。

そんな簡単なメンテナンスを5回に1回ですね。

カニヤ:手入れをする場合、油性のワックスといわゆる乳化性のクリームってあると思うんですが、じゃあ乳化性のクリームだけ入れてしまえばいいんですね?

KEN:そうですね基本的に油性のワックスは見た目ですね。光らせる見た目と、あと防水効果があるんですけど。

本当に革にとっていいのは油分・水分の補給です。

革の状態を良くする=栄養を入れるという部分では乳化性の柔かいクリームの方が大事です。

カニヤ:じゃあ面倒くさがりの方は自分で乳化性のクリーム入れて、光らせたかったらkENさんに頼むと。笑

一同:爆笑

KEN:是非!笑 お待ちしております。

 

カニヤ:あと他にお客様から質問を伺っていたのがこのブローグ靴について。

普通のプレーントゥの何も装飾のない奴は単純に磨けばいいんですけど、この飾りがついてるブローグ靴は何か手入れが難しそういう方が多いんですよね。

何か手入れのコツやポイントはありますか?

KEN:それも良く聞かれるますね。笑

手入れをする際、この装飾の穴の中にクリームやワックスが入って水で伸ばすときにちょっとトラブルになるので。

カニヤ:穴の中に入る?

KEN:そうです。

クリームやワックスを入れたらしっかりと豚毛の固めのブラシで大丈夫なので、しっかりと穴の中に入ったクリームをブラッシングでとってあげる。

カニヤ:目に見えてクリームが乗っかっていなくてもしっかりとブラッシングをするということですね?

KEN:穴の中のクリームをとった状態じゃないとどんどんクリームが溜まり、磨く度に入ってしまってプレーントゥになっちゃいますね。笑

カニヤ:(笑)。飾りなくなっちゃうんですか?笑

穴なくなっちゃいます?笑笑

まあ、そんな冗談は置いておいて取らないと当たり前ですが靴に良くなさそうですね。

KEN:はい。気にしなければいいですが見た目に悪いですし、この穴の中にクリームが入る(残る)ことによって、革が呼吸できなくなります。

要は厚化粧みたいになってしまうんです。

磨いても厚化粧は良くないので。

カニヤ:なるほど。厚化粧にしない。

KEN:あとは水をつけすぎてこの穴の中に入ってしまうと革がふやけてきちゃうんですよ。

水分が内側から入るので。そうするとふやけてそこだけ浮いてきちゃいます。

カニヤ:浮くっていうのは?

KEN:浮くっていうのは、表面がちょっと柔らかくなって、あの〜表現が難しいのですが…その状態だとワックスをのせようとしても全然のらなくなってしまいます。

カニヤ:その場合対処方法はありますか?

KEN:そうなった時は乾かしてあげてからやれば問題ないです。

磨くのが好きな方はその1点だけ光らないっていうトラブルで悩んだりするそうなんですけど、

そこだけ水分がキュッと入っている状態なのでそういう場合はちょっと時間をおいて。

乾かしてあげれば大丈夫です。

カニヤ:最後に靴好きの永遠のテーマ、靴を長持ちさせる秘訣はありますか?笑
KEN:秘訣は履く頻度を減らせばそれだけ長持ちしますよね。で、だいたい1回履いたら3日は休ませる。

カニヤ:3日ですか!

KEN:そうですね。

やっぱり靴は履くと人間の汗などで凄く蒸れてしまいます。

それをちゃんと3日で自然に乾燥させて飛ばしてあげる。

あと毎日履いたらブラッシングで埃などをしっかりとってあげる。

簡単にファササっと。

で、5回履いたら1回磨いてあげて。

で、5回磨いたら1回しっかり磨く。

カニヤ:え〜ということは…

KEN:25回目にしっかり磨くってことですね。

ファーストケアの時と同様に1回全部リムーバーで落として、集中的にケアをしてあげる。

人それぞれケアの仕方は違いますが、靴を長持ちさせる秘訣として私はそう思いますね。

カニヤ:靴とかそんなに持っていない方はどうすればいいですかね?

KEN:一番大事なのは雨の日には履かないってことですね。

カニヤ:やっぱりそうなんですね。

KEN:なので雨の日用のゴアテックスとか撥水加工してある靴を1足持っていて、雨の日はその靴を履く。

全然安くてもいいので、その1足を持っていると他の靴が雨に打たれないので持ちが変わってくると思います。

カニヤ:ということは普通の靴を2足と雨の日靴を1足でまわせそうですね?
KEN:違います!3-1ですね。笑

普通のローテーション靴3足で雨の日用を1足ですね。

履いたら、3日休ませる。

そして、雨の日は絶対にローテーションの革靴は履かないっていうこと。

例えばこの靴ってグッドイヤー製法といって靴底の修理はいくらでもきく靴です。

なので、いかにアッパー=上の革の状態を保ってあげれるかは靴を長く履く重要なポイントですね。

カニヤ:確かに雨に降られるとアッパーのトラブルが色々出てきますもんね。

KEN:そうなんです。さっき言ったように栄養と油分と水分をしっかり潤った状態をキープしてあげるっていうのが長く履く秘訣ですね。

カニヤ:素晴らしい情報をありがとうございました。

とりあえず他に詳しい情報が聞きたかったら、イベントに来てくれってことでいーですかね?笑

KEN:そうですね。4/21、4/22にアスティーレ ハウスでイベントをやりますので是非靴磨きに興味ある、けどどうしたらいいいかわからない方は聞きにくるだけでも、是非よろしくお願いします。

一同:ありがとうございました!

シューシャイナーKEN
靴磨き歴は約8年。今まで磨いた数は5万足以上。
無店舗営業で個人宅へ出張、ジャンルを問わずショップへのイベント磨き経験多数。
日本全国へファンを持つ実力派シューシャイナー。
好きな食べ物はシュークリーム。
ブログ:http://shoeshinerk.blog90.fc2.com
インスタグラム:@shoeshinerken

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